上昇志向の生き方を辞めた話

※この記事は2021/11/2 noteに投稿した記事を転載したものです。

僕の人生を振り返ってみると、常に努力しろ頑張れと社会から圧力を受け続けて来た気がする。学校ではテストの点数で評価され、学期ごとの通知表で評価され、受験でふるいにかけられる人生だった。就職に有利になるように良い学歴を手に入れるために努力し続け、資格を取るために休日に勉強した。勉強に終わりはなく、会社に入社後も勉強し続けることになる。

いつまでこんな事が続くんだろう?

いつしか人生に疲れ果て、終わりのないマラソンを走らさせられているような気分だった。

まだ小さい子供の頃は誰からも強制的に努力しろと言われる事が無かった。無邪気にバッタを捕まえたり、笹の葉で船を作って川で流して遊んだり、秘密基地を作って自分の宝物を隠したりしていた。

ただ自分が思うままに好きなことが出来て毎日が楽しかった。

努力して成果を上げて自分は社会に役立つ人間なんだと証明してみせる必要なんてなかった。ただそこにいるだけで愛されて毎日が楽しかった。

しかし、そんな幸せな時代はあっという間に終わってしまう。

小学校3年生になった頃、母親に公文という学習塾に行くように言われた。塾というものが何なのか分かっていなかったが、親に言われるままに公文に通うようになった。

公文ではプリントでひたすら算数とか国語の漢字の勉強をさせられた。本当は遊びに行きたかったけど、公文には月謝を払っているのでサボる事は許されない。自分の意思とは関係なく、公文に行ってやりたくもない計算問題や漢字のプリントをやっていた。

小学校5年になると、もっと本格的な学習塾に通うように母親から言われた。そこでは、中学受験対策でさらに難しい算数や理科や社会や国語の勉強をさせられた。

母は僕を新学校に進ませて良い大学に入って良い企業に就職させようと考えていたのだろう。僕が勉強をしたいかどうか聞かれた事は1度もない。こちらの意思とは関係無く、ただ母親から塾に行って勉強しろと強制されただけだ。

この頃から母から学校のテストの点数を見せろと言われ始めた。点数を見せいて悪い点数だと露骨に母は機嫌が悪くなった。テストの点数が悪いともっと勉強をしろ!怒られた。テストの点数が悪いのは、僕の努力が足りていないと考えたのだろう。

母から休日に8〜10時は勉強の時間として他の事はやらないように強制的にルールを決められた。テレビを見ることも許してもらえなかった。

僕が子供の頃は日曜の朝にアニメがやっていて、特に「キン肉マン」が大好きで毎週楽しみにしていた。それが、母からの強制的に勉強時間を決められたせいで「キン肉マン」のアニメが見れなくなってしまった。

こうして自分は勉強を強制されてテストで良い点を取る事が人生の目標みたいになってしまった。今思うと学校のテストの点数なんてどうでも良いじゃないかと思うけど、その頃はテストで良い点取る事が良い人生に繋がると信じていた。信じ込まされていたという方が正しいかもしれない。

そこには良い高校・良い大学に進学して良い企業に就職すれば人生は安泰だという親世代の価値観から来たものなんだろう。お金を沢山稼いでマイホームを購入し、結婚して家庭を築き、休日はマイカーで家族でお出かけみたいな人生が普通の人生だというのが日本社会の価値観としてあったから仕方がないのかもしれない。

自分も若い頃は大人になればそんな風に人生歩んでいくんだろうなと漠然と思ってた。しかし、自分にとってそういう普通の人生はハードルが高過ぎたので、諦めた。

高校受験・大学受験・就職活動と努力し続けてきた。それもこれも良い会社に就職すれば人生は安泰だという思い込みがあったから頑張れた。しかし、僕が大学を卒業する頃は超就職氷河期で、結局30半ばまで非正規雇用で貧しく社会の底辺を生きてきた。

子供の頃、遊ぶのも我慢して嫌々勉強してきたあの時間は何だったんだろう。もっと遊んで楽しい思い出を子供時代に沢山作っておきたかった。将来のために今を我慢するのではなくて、今この瞬間の人生を楽しみたかった。

今は40代半ばになり、もう自分のキャリアを築くために努力しようなんて気持ちはサラサラ無い。会社勤めはストレスが多過ぎて頭がおかしくなりそうだったから、もうしたくない。

副業で取り組んでるYouTubeやブログをコツコツと頑張ってはいるけど、これは半分趣味みたいなもんだから続けられている。自己表現に繋がるし、成果は全て自分のものだからやっていて楽しい。雇われ仕事で無理に努力していた頃とは全然違う。

結局、学歴社会や正社員信仰も金を沢山稼ぐ事が幸せなんだという考えが根底にある。こういう金を沢山稼ぐ事が幸せに繋がるという価値観が人を不幸にしているのだと思う。

確かにお金があった方が安心だし、欲しいものが何でも買えるだろう。ただ、お金を稼ぐことに考えが縛られて長時間労働やストレスフルな生活を送っていたとしたら本末転倒だ。

僕はもう頑張って働いて金を稼いで消費することで幸せを感じようという生き方は辞めた。20代〜30代の頃、金を使った遊びや贅沢はある程度経験したから、もういいやって思う。

金を使って欲しい物を買っても、すぐに別の何かが欲しくなる。金を使って遊んでもほんのひと時の快楽だけで、すぐまた同じ快楽が欲しくなる。こういうのはキリがない。

仕事を頑張っている人を否定したいわけじゃない。そういう方は仕事をバリバリこなして沢山稼いで欲しいと思う。自分は稼げなくてもいいから、もっとのんびり暮らしたいだけだ。

2021年9月に会社員を辞めてバイト生活を始めた。今は重たい責任や煩わしい雑事、嫌な人間関係から解放されて平和で穏やかな生活を送れることに幸せを感じている。子供の頃は金が無くても幸せだった。会社員を辞めたことで、また子供時代のような幸福感を取り戻せたような気がしている。

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