会社員をやっていると失うもの

なんで、正社員になりたいの?

 

日本人の多くの人は良い学校を卒業して良い企業に正社員として就職する事を目標に生きてきた人が多いのではないかと思う。

僕も若い頃は周りの大人に言われた通りに、それが普通の人生なんだろうと思って生きてきた。

しかし、大人になって正社員として働いた経験から正社員をやる事が必ずしも良いことばかりでは無いと言うことに気が付いた。

正社員になっても良い事ばかりじゃないよ、と言ってくれる人はあんまり居ない。

今回は正社員で長く働いているとデメリットもあるよという話をしようと思う。

まず、正社員で働こうと考えるのは以下のような理由があるだろう。

多くの人が正社員で働こうと考える理由
  • 1:雇用が安定している
  • 2:ボーナスが貰える退職金があるから生涯の収入が多い
  • 3:世間体が良い
  • 4:福利厚生が充実している
  • 5:仕事のスキルを磨き実績を作ることが出来る
  • 6:なんとなく正社員で働く事が世間では普通とされているから

日本だと特に6の理由で、正社員の仕事を選ぶ人も多いんじゃないかという気がする。

自分が何故正社員として働きたいのか、または正社員という働き方が自分に向いているのかどうか真剣に考えて正社員を選んだという人がどれだけいるだろうか?

何となく親の期待や学校の指導、周りの同級生がみんな就職するかという理由で正社員の仕事を選ぶ人が殆どだろう。

僕だってそうだった。

正社員で働くと失ってしまうもの

正社員で働く事のメリットは多くの人が知っていると思うけど、正社員にもデメリットはある。

正社員になる事で失ってしまうものだってあるのだ。

僕が個人的に考える正社員になる事で失ってしまう事は以下のようなものだ。

正社員になる事で失ってしまうもの
  • 1:貴重な人生の時間。
  • 2:何か新しい事を始めてみようとする気力や時間。
  • 3:個人でお金を稼ぐ能力。
  • 4:住む場所を選ぶ自由。
  • 5:まとまった休日を取る自由。
  • 6:正社員以外の生き方(フリーター・フリーランス・自営業等)を選ぶ自信や気概。
  • 7:心の健康

 

貴重な人生の時間。

人生の時間

これは正社員として働いている多くの方が感じている事ではないだろうか。

会社員をやるという事は生活の殆どの時間を会社に捧げるという事だ。

労働時間に加えて、通勤や着替え・昼休憩に会社外での付き合いなんかも発生する。

正社員として働くと個人の生活より仕事を優先しないといけない風潮が日本ではまだ色濃いので、何か突発的なトラブルや緊急事態なんかが発生するとプライベートな用事をキャンセルしてでも仕事を優先せざるおえなくなる。

僕も会社員時代は金曜日や長期連休前に緊急の仕事だからと休日出勤を頼まれたりして嫌々引き受けざるおえなかった事が何度もあった。

仕事のために自分の生活を犠牲にする事が僕には辛くてしょうがなかった。

何か新しい事を始めてみようとする気力や時間。

そして、自由に使える時間が少なくなる事で、何か新しい事をやろうという気持ちを失ってしまった。

正社員時代は長時間労働に加えて仕事のプレッシャーやストレスも半端なかった。

夜遅くに家に帰るとぐったりと疲れ果て、もう何もやる気になれない。

寝るまでの僅かな自由時間はとにかくリラックスして肉体的・精神的な疲れを取りたかった。

そんな状況で語学を勉強するとか何か副業を初めてみるとか、難しい政治や国際情勢のニュースを理解しようとする事が出来るだろうか?

ほとんどの人は酒を飲んだりぼんやりとテレビを見たり、頭を使わないような漫画を読んだりゲームをしたりして辛い現実を少しでも忘れてストレスを解消することで精一杯な状態になるんじゃないだろうかと思う。

少なくとも僕が会社員時代はそんな感じだった。

こうして僅かに残された自分の時間は労働のダメージから気力・体力を回復して来週の仕事に備える為の時間になっていってしまった。

個人でお金を稼ぐ能力。

正社員時代に職場のいろんな人と話してきたけど、ほとんどの人は会社の仕事への興味・知識は沢山あるんだけど投資やビジネスについて関心を持っていたり経験がある人というのは殆ど見かけなかった。

会社員をやっている人のほとんどが話題にするのは稼いだお金をいかに消費に使うかという事だけだ。

今度の連休は家族でディズニーランドへ行こうとか、新しい車を買ったとか、新築で家を建てたとか、みんな金を使う事しか頭にないみたいだった。

会社員の人と話すと、労働でお金を稼いで消費するという思考パターンしか持っていない人が本当に多い。

投資とかネットを利用した副業など、自分には無理だ関係ないとハナから選択肢に入ってないかのようだった。

僕が勤めている会社には副業禁止の規定が有った。

理由は”本業に支障が出るといけないから”というものだったけど、本音は社員が会社以外に収入源を持つと会社の命令を聞かなくなるとか、辞められたりする事を防ぐためだろう。

こうして会社員というものは会社の仕事だけして、稼いだ金で消費して人生を楽しめばいいんだという思考パータンが植え付けられてしまう。

自分でお金を稼ぐ・投資で増やす能力を磨けば青天井にお金を増やせる可能性だってあるのに、「そんな事は自分には無理だから真面目に働こう」という思考を植え付けられて、人生の可能性を自ら捨ててしまうわけだ。

住む場所を選ぶ自由。

世の中の殆どの方は通勤できる範囲で住居を決めると思う。

僕も会社から通勤時間を逆算して、通勤可能な範囲で住む場所を決めないといけなかった。

会社員をやっていると定年で退職するまでは会社の通勤範囲内でしか住む場所を選べない。

また、突然の転勤や出向を言い渡されるなんて事も正社員で働いているとある。

縁もゆかりもない土地に仕事のために引越さないといけない、なんて事も僕が会社員をやっていた頃は何度か経験した。

僕はまだ独身の賃貸暮らしだったからまだ良かったものの、同僚の話を聞いていると子供が産まれたばかりなのに遠い所へ出向を言い渡されたとか、マンションを購入して引っ越しの予定を組んでいた直後に青森へ出向を言い渡されたなんて人もいた。

たとえ今住んでいる所が気に入っていて満足していたとしても、会社員をやっていると、そこに住み続ける事が出来ないなんて事も起こり得るのだ。

まとまった休日を取る自由。

日本の企業の殆どは会社カレンダーというものが存在して、長期連休もどこも同じようなタイミングや長さで取るのではないかと思う。

これは取引先との仕事の都合もあるので、仕事を休むなら同じタイミングで休暇にしようというのがあるのだろう。

結局毎年、GWやお盆・正月くらいしかまとまった休暇が取れないということになる。

まとまった休暇と言っても、日本の企業だと1週間から10日程度だろう。

長期連休になると航空券・ホテル代・フェリー料金などなど旅行や帰省にかかる移動・宿泊コストも跳ね上がる。

どこへ行っても人が溢れかえっていて、混雑の中で移動や観光などをしなければならない。

まとまった休日を取るにしても、会社員をやっていると自由にタイミングを選べないから、時間やお金が余分に掛かってもみんなと同じ時にしか休めないなんて事になってしまう。

正社員以外の生き方(フリーター・フリーランス・自営業等)が怖くて出来なくなる。

『ショーシャンクの空に』という映画の中でモーガン・フリーマンが演じるレッドという囚人がいた。

彼はあまりにも長く刑務所に居過ぎたが為に、仮釈放されて娑婆に出るときが来ても外の世界に馴染めなくて刑務所に戻ることすら考えてしまう状態だった。

この映画を最初に観たのは大学生くらいの頃だったので、「ふーん、そういうものなのかな・・・」程度の感想だったけど、いい大人になった今は違う事を感じるようになった。

これはつまり、人間というのは長く同じ環境に居続けると、変化を恐れるようになり、慣れてる環境に居続けたくなるものだと言う事を言っているのだろうと思った。

長く正社員として働いていると、どんなに会社の仕事が辛くても、会社を辞めるのが怖くなる気持ちと似ているのではないかと思う。

結局、会社に長く居ればそれなりに人間関係があって自分の役割があり大体の事は知っていて予想が付くので、例え長時間労働やパワハラなど辛い事が有ったとしても、知らない世界に出て行くよりは慣れ親しんだ環境にいたほうがまだマシだと考えてしまうのと似ている。

また、会社の看板のお陰で飯を食ってきた訳だから、会社に所属しないと生活費をどうやって稼げばいいか分からないとなり、自由に生きていく自信が持てないだろう。

長年会社員をやっていると、こうして組織に属さず自由に生きていけるという気概や能力が奪われてしまい、会社という名の刑務所から出られない人間になってしまうのだ。

心の健康

日本で住んでいたら、誰でも1度くらいは人身事故による電車の遅延を経験した事があるのではないだろうか?

僕も会社員時代は転勤や出向で名古屋・神戸・広島・静岡など色んな土地に住んだけど、何処へ行っても人身事故による電車の遅延が有った。

人身事故の原因はわからないけど、多くは仕事に行きたくない会社員の人が衝動的に身を投げた・・・というのが殆どじゃないかと思う。

それくらい日本では労働で精神的に追い詰められてしまう人が多い。

また日本では引きこもり状態にある人は100万人を超えているらしい。

仕事で鬱や精神疾患を患って、そのまま引きこもりになってしまう人も多いと聞く。

心の病気というのは目に見えないから、他人には深刻さが伝わりにくいけど、実際になると完治するのがとても難しいことがわかると思う。

無神経な人だと、「鬱は甘え」とか「誰でもそんな時はある」みたいな言葉で片付けがちだ。

しかし、一度鬱になってしまうと脳が萎縮したり脳内の神経伝達物質が減ってしまったりと物理的に脳の構造が変化してしまうのだ。

もともと元気で明るかった人が別人みたいに暗い性格に変わってしまう事だってある。

そうなってしまうと1ヶ月ほど休職すれば元気になるだろうなんて考えが間違っている事に気が付く。

多くの人が労働で鬱になったり何かしら精神疾患を患ってしまうと、その後の人生が滅茶苦茶になってしまう事が殆どなのだ。

正社員を辞めたけど後悔はない

僕は何も正社員という働き方が絶対に良くないと言いたい訳じゃない。

人によって向き不向きがあるから、正社員として働くことに向いていない人は本当に正社員として働く事が自分の幸せになるかどうか考えてみた方が良いという事が言いたいだけだ。

僕は去年の秋頃、正社員の仕事を辞めて今は気楽にフリーターで働いている。

正社員の仕事を辞めたきっかけは、出向先でのパワハラによる抑鬱状態になった事が原因だった。

我慢して働き続けていたら、もっと酷い状態になっていたと思う。

だから、正社員の仕事を辞めた事に後悔は無い。

会社を辞めるときは怖くて本当に悩んだけど、今はこっちの方が自分らしい生き方が出来ているなと感じている。

だから、会社勤めが辛いとか向いてないと感じる方は、”正社員として働く事が普通だ”という社会一般の価値観から解放されて、もっと自由に自分らしい働き方を模索して欲しいなと思う。

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