我慢をするから人生が辛くなると言う話

我慢をしろと母から言われた記憶

泣く子供

僕が子供の頃、母親から口酸っぱく何度も言われてきたセリフがあった。
「勉強を頑張って良い大学を卒業して、良い会社に就職すれば大人になったら楽ができる」と。
大人になれば楽が出来るんだから、今は遊びたいのを我慢して勉強しろという事を母は言いたかったのだろう。
まだ小さかった自分には、『大人になったら楽が出来る』という言葉の意味がピンと来なかった。
大人になるなんて遥か遠くの未来の事で、まだ子供だった自分には今日1日をどう過ごすかの方がずっと大事だった。
遊びに出かけて思う存分楽しみたかったけど、遊びに行けば母が烈火の如く怒り出すのを知っていたから渋々勉強をせざるおえなかった。
その頃からだろうか、自分の本当の気持ちを押し殺して我慢する事を覚えたのは。
なんとなく自分の本当の気持ちを大人の前で言ってはいけないんだということを覚えたのもこの頃だと思う。
大人になった今でも、もっと子供の頃に沢山遊びたかったなと思う事がある。
遊びは子供を精神的・肉体的に成長させてくれるものだ。

我慢を強要されずに、伸び伸びともっと沢山遊んでいたら今とは違う性格の大人になれたんじゃないかと思う事があるけど、もう遅い。
大人になった頃には、すっかりと消極的で自分に自信の無い性格になってしまった。

我慢する事が偉いと教えられてきた

涙

子供の頃は、母だけでなく周囲の大人からも我慢をすると褒められる事が多かった。

  • 転んで膝から血が流れても泣くのを我慢して偉い

  • 風邪気味で体調が悪いのに休まず登校して偉い
  • 怪我をしたのに、部活の試合を最後までやり切ったの偉い
  • 喧嘩をして叩かれたのに、やり返さなかったのは偉い

まだ社会全体に我慢が美徳みたいな風潮があった時代だ。
ドラマやアニメでも辛い境遇を我慢して、最後は報われてハッピーエンドみたいな話も多かった。
今思えば、我慢する事が”正しい””カッコイイ”みたいな価値観をメディアから洗脳されていたなと思う。
気がついた頃には、自分は本当の気持ちを押し殺して、我慢をする人間になっていってしまった。
どこかいつも他人に遠慮をして、自分よりも他人の都合や気持ちを優先する人間になってしまって、性格の悪い人間に良いように利用されてきたなと今になって思う。
なんだかまるで、今の日本そのものみたいじゃないか。

我慢を植え付けられることは牙を抜かれること

羊

我慢を植え付けられた人間というのは、社会から牙を抜かれてしまった家畜のようなものだ。
本当なら人間にも野生の本能が宿っていて、もっと強くて逞しい生命力や鋭い直感が備わっているものだと思う。
それが社会化する事で、本来持っていた本能的な直感や行動力を奪われてしまうわけだ。
我慢を教え込まれると、他人に歯向かう事もない、大人しく従順な人間になってしまう。
そう言う人間の方が社会にとっては好都合だから、そう教育されてきたのだろう。

  • 理不尽な事をされても言い返せない

  • 辛い事があっても逃げ出せない
  • 自分が本当に感じている事を言えない
  • 他人と喧嘩ができない

こうして大人しくて当たり障りのない事しか言えない人間になってしまう訳だ。
自分が心から感じた事を言うことも出来ない、心から欲したように行動する事も出来ないなら、死んでいるのと同じじゃないかと思う。

我慢をすると人生が辛くなるだけ

僕が会社員時代に、仕事があまりに辛くて母に「会社を辞めたい」とこぼした事がある。
その時に言われたのが、「みんな辛いのを我慢して働いているんだから、お前ももうちょっと頑張れ」みたいな言い方だった。
僕は「もういいよ・・・」と電話を切った。
こっちは死にたいくらい悩んでいたのに、なんでそこまでして辛い気持ちを我慢しなきゃいけないんだ。
日本に住んでいると、いじめや自殺・過労死などのニュースを見かけるのは日常茶飯事だと思う。
追い詰められた人たちは、みんな我慢してSOSを出せなかったんじゃないだろうか?
また、周囲の人達も「みんな辛いんだから、多少の事は我慢しろ!」と言うふうに弱い立場の人間に我慢をさせていたのではないだろうか?
我慢をしていると自分を追い詰めて不幸な結果を招いてしまう。
我慢ばかりしてないで、もっとみんな自分の気持ちを大切にした方が良い。

残りの人生は自分の気持ちを大切にしたい

そう思うと、今までの人生真面目に我慢して勉強や労働に頑張ってきた事が馬鹿らしいなと思うようになった。
気が付けば、自分の本当にやりたい事も我慢して、会社の歯車として自分の人生のほとんどの時間を捧げてしまっていた。
つまり、誰かの利益の為に良いように利用されてきた人生だったわけだ。
僕は2021年9月にそれまで働いていた正社員の職を辞めて、気楽な週4だけ働くフリーター生活を始めた。
東証一部上場企業で世間体は良かったから、辞めるなんて勿体ないと色んな人から言われたけど、耳を貸すつもりはなかった。
ずっと正社員の仕事を辞める事が怖くて長時間労働やパワハラも我慢してきたけど、40代になって人生の残された時間は有限である事を実感して、せめて残りの人生は自分の好きなように生きていきたいと思った。
収入はかなり減ったけど、今の生活は穏やかで時間に余裕が有って、とても満足している。
もっと早く、自分の気持ちに正直に生きれば良かったなと思う事もあるけど、過ぎてしまった事は仕方がない。
今となっては、もう2度と会社員生活には戻りたくない。
どんな嫌な事も理不尽な事も我慢していた会社員時代は、自分の気持ちよりも金の方が大事だったのだろう。
我ながら、あの頃は頭がおかしかったなと思うのでした。

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